カシスの素晴らしい抗酸化力に注目!
カシスの抗酸化力が放射線の被害を予防:
活性酸素を退治「抗酸化物質」に脚光 放射性物質の被害を防ぐ
(産経新聞2011年6月29日 発行部数:220万部)
カシスは抗加齢にも効果
放射性物質(放射能)の被害を防ぐ方法として、野菜や果物を中心に含まれる「抗酸化物質」が脚光を浴びている。放射線は体内の水分と反応して生活習慣病の原因となる活性酸素を発生させるのに対し、抗酸化物質は体内にたまった活性酸素を“退治”する。中でも眼精疲労やアンチエイジング(抗加齢)の効果も期待できるカシスの可能性に専門家は注目している。
放射能と抗酸化食品
「1986年のチェルノブイリ原発事故では、大量の放射線によって周辺住民の体内の抗酸化物質が低下した。被曝(ひばく)した子供に抗酸化ビタミンを与えると、酸化状態が改善したという報告がある。放射線障害の約80%は活性酸素によるもので、そうした背景もあって活性酸素を消去する抗酸化食品の働きが注目されている。」こう説明するのは、「ミトコンドリア学」の権威として知られる日本医科大大学院の太田成男教授(細胞生物学)だ。太田教授は、活性酸素を抑える食材の目安として野菜や果物の色に注目する。赤や緑、黄色など「色の濃い食品」は抗酸化に優れ、毎日摂取することが望ましいという。ただし、がんの発生には放射線だけが影響しているわけではなく、喫煙や肥満、野菜不足などの要因も考慮しないといけない。「放射線リスクを過度に恐れることは健全とはいえない」と太田教授は指摘する。
カシスの素晴らしい抗酸化力
一方、抗酸化食品の“代表格”として注目されているのがベリー類だ。中でもカシスの抗酸化力は必見である。ニュージーランドの国立ホートリサーチ研究所が行った「抗酸化成分の比較試験」で、ブルーベリーやビルベリーをしのぐ成分があることが分かった。
カシスのORAC値(活性酸素吸収能力)
海外では抗酸化力の目安となる「ORAC値」(活性酸素吸収能力)がサプリメントや飲料などに表示され、その値を購買の基準にする消費者が少なくないという。カシスはORAC値においても他の果物類より優れている。
緑内障の進行へカシスの有効性
日本カシス協会(東京都目黒区)事務局は「緑内障の進行を抑制する可能性が最近、学会で報告されるなど、カシスのさまざまな有効性が期待される。これまで日本の消費者の認識は『果物』という程度に過ぎなかったが、震災後、放射性物質に敏感な消費者からカシスの持つ作用について問い合わせがあった。」と話す。
カシスの国内生産は青森市などで年間約5トン、多くはニュージーランドなどからの輸入に頼っている。適度な酸味のカシスリキュールは若い女性に人気だが、家庭の食卓には馴染みのない存在だ。同協会では今後、抗酸化力に優れ、抗加齢の作用を持つ「カシスパワー」を普及の切り札にしていきたいという。